手術前のMRI撮影からは、解剖学的構造、病変の性状・分布や悪性度、運動野や言語野、神経線維の走行を把握する画像から様々な情報を抽出し、診療チームに提供します。 執刀医は多様な画像情報を基に詳細な手術計画を立て、病変部までどうアプローチするのか、器具はどれが最適かということをシミュレーションします。
ここに例をあげたfMRI(functional MRI)では、脳の形態、脳梗塞や出血、腫瘍などの解剖学的変化を捉えるだけでは無く、神経活動の部位、つまり興奮しているニューロンの部位を画像化する事も出来ます。
これを「機能的MRI」と呼び、症状の解明や、外科治療時に詳細な戦略を立てるためのガイド情報を手術チームに提供する役割を担っています。 fMRIでは、例えば、脳腫瘍で病変部と正常部を見極め、腫瘍周辺の脳細胞の機能を温存し後遺症を残さない手術を計画することも可能にします。

手術中にはその神経画像とナビゲーションシステムや神経内視鏡、手術用顕微鏡などを連動させ、難しい手術を正確に安全にアシストする事を目指します。