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脳動脈瘤 Q & A

01. 脳動脈瘤の中身ってどうなっているの?

01. 脳動脈瘤の中身ってどうなっているの?

脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)は、“瘤(こぶ)”と書きますが、固形の塊ではありません。
血管の壁が風船のように膨らんでできた袋のようなものです。
血管でできた袋ですから、その袋の中も血流が駆け巡っています。

下の図を見てください。これは血管の3次元的形からコンピューターで流体解析の計算をして得られた血流のシミュレーション動画です。
動脈ですから、勢いのある血流がやってきます。当然ながらその血流は動脈瘤の袋の中にも入ってきて、その中をぐるぐる回ってまた出ていきます。
実際には、動脈瘤の大きさや、その前後の正常な血管の太さや角度などによって、血流は動脈瘤の中に入ってすぐ出ていく場合もあれば、いちど動脈瘤の中に入った血流は、その内部を何周も回っていることもあります。
ほとんどの場合、動脈瘤が存在していても、その先の血管に血流がいきわたりますから、それだけでは通常は症状はありません。症状が無いからこそ、自分では動脈瘤を持っていても何も気付かないので、脳ドックなどを受けて画像検査をすることで初めてその存在を知るわけですね。

ただ、動脈瘤のサイズが非常に大きいと、そこに入ってくる血流が何周も何周も動脈瘤の中を廻っていることで、そこから出てその先の血管に行く血流が遅くなってしまう事例があります。自動車の排気口をマフラーと言いますけど、排気ガスをいったんそこに貯めて吐き出すことで、出てくる排気ガスの勢いを抑えている現象と似てますね。これによって、脳血流が不十分になってしまう現象が発生して、それで一過性の麻痺などの症状を出す場合があります。
ちなみに、非常に大きい動脈瘤の場合ですと、動脈瘤の内部が一部血栓に置き換わっていることもあります。これはサイズが非常に大きい動脈瘤などで見られやすい現象ですが、詳しいことはまた別の機会に説明しましょう。

札幌柏葉会病院
高度脳血管病センター長
中山 若樹