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第8回:脳梗塞 ラクナ梗塞について

第8回:脳梗塞 ラクナ梗塞について

脳梗塞は、脳血管が何らかの原因で詰まってしまい、脳への血流が途絶え、脳が壊死してしまう病気です。原因を大まかに分けると、3種類あり、そのうちの1つがラクナ梗塞と呼ばれるものです。

症状や原因

“ラクナ”とはラテン語で、“小さなくぼみ”を意味します。つまり、脳の血管でも穿通枝と呼ばれる直径1mm以下の微小な、MRIでははっきり映らないくらい細い血管が詰まることで生じる脳梗塞を指します。梗塞も小さい事が多いですが、脳の深部で生じる事が多く、部位によっては重篤な麻痺などの症状が出ます。特に内包、脳幹に多く、それらは運動神経の連絡路である錐体路と呼ばれる部位です。これらが脳梗塞になると麻痺が生じます。
大きな原因として、高血圧や糖尿病、脂質異常など生活習慣病に起因して起こることが多いと言われています。これらによって血管の動脈硬化が進み詰まってしまうからです。また、脱水も原因となる場合もあります。

症状は脳梗塞が出来た部位によりさまざまですが、話にくさ、呂律が回らない、右半身や、左半身など半身の動かしにくさやしびれなどの感覚障害を認めます。物が二重に見えるなど目の症状としても現れることもあります。これらが短時間だけ起きて元に戻るという「一過性脳虚血発作」が前兆として3割の方に起こるとされています。

治療

症状が出現した場合はすぐに病院へ連絡してください。脳梗塞となったすぐの場合は点滴での血流改善、脳保護薬の投与、抗血小板薬による治療を行います。また、リハビリテーションによる動作の改善など出来るだけ早く始めて症状を少しでも軽減できるようにします。
1-2週間治療を行い、症状が安定し始めた時期には、抗血小板薬の内服を継続し、脳梗塞の再発予防に努めます。また、高血圧や脂質異常、血糖値のコントロールも併せて行っていきます。残念ながら症状が強く残ってしまった場合は、「回復期リハビリテーション」での更なるトレーニングを行い症状の改善を図りつつ、道具など補助具を利用して少しでも負担を軽くできるようにしていきます。

日常気を付けてほしいこと

高血圧や脂質異常、高血糖など生活習慣病の予防に努めましょう。また、脱水に気を付けて細目な水分補給を行いましょう。
何よりも、脳梗塞が疑われるような症状が出たときにはすぐに病院に連絡して受診してください。時間が経って脳梗塞が完成してしまう前に治療を始めましょう。

左内包後脚部のラクナ梗塞
左内包後脚部のラクナ梗塞
脳幹梗塞
脳幹梗塞
左被殻から放線冠のラクナ梗塞
左被殻から放線冠のラクナ梗塞