グローバルパートナーシップの一環として、外国人技能自習生の受け入れを積極的に実施しています。実習生3名がインドより来日、母国インドへの技能伝承を目指し実習を行っています。母国での看護師経験を基に、脳卒中を中心とした日本の介護技術習得に励んでいます。
私たちは超高齢社会を迎え、医療や介護の担い手不足を実感しています。私たちは目の前の社会課題、更に今後の未来を見据え、THINK GLOBALLY, ACT LOCALLYでSDGsに貢献して参ります。
それでは、実習の状況を、実習生のシャンピさん、チュイさん、シャンさんに聞いていきます。
質問1. 日本を目指した理由は何故でしょうか?日本に来るまで大変だったことは?
「安全な日本で様々な経験や勉強したかった」「日本語を学ぶのは大変」
シャンピさん)海外で様々な経験や勉強をしたかったからです。海外の中で日本を選んだのは、安全な国だからです。日本へ行くことを、家族も安心していました。
チュイさん)以前から日本の文化に憧れていました。インドでもアニメや漫画は、ポピュラーなカルチャーです。
全員)日本に来るまでに大変だったのは、日本語の勉強です。私たち三人はインドの北東部マニプル州の出身です。マニプル州の実家を離れ、ベンガルール(旧称バンガロール:技能実習制度の送り出し機関のあるインド南部カルナータカ州の州都)で6か月間勉強しました。初めて使う日本語を学ぶのは大変でした。宿舎で自炊をしながらの勉強はとてもハードでした。
シャン)今でも日本語の勉強は大変です。
チュイさん)6か月間のベンガルールの教育を終え卒業しましたが、コロナの影響でロックダウンとなり、インドから出国できず不安でした。
シャンピさん)ロックダウン中は、技能実習制度の送り出し機関によるオンライン研修、柏葉脳神経外科病院とオンラインで面談をしていましたので「日本語を忘れないための支援」がありました。このため不安ばかりではありませんでした。早く日本に行きたい気持ちでした。
シャンさん)その後ロックダウンが解除され、日本への入国が可能となりました。日本に入国後は技能実習生入国後研修を1か月間受けました。日本語だけではなく、買い物やゴミ捨てのルール、バスの乗り方などの習慣も学びました。
質問2. 病院での実習はどうですか?
「喜んでいる患者さんを見るととても嬉しい」
チュイさん)技能実習は楽しいです。困った時は指導者の方や他のスタッフの方は手伝ってくれます。分からない時は、助けを求め、直ぐに聞いています。
シャンピさん)ナースコールがあり、患者さんの所へ行った時、日本語が理解できないこともあります。例えば「ティッシュ」は分かっているけど、「ちりかみ」は分からないことがあります。日本語は難しいですね。指導者の方や他のスタッフの方から、いろいろ教わっています。
シャンさん)インドではバスタブに入浴する習慣がなく、殆どがシャワーです。インドで看護師として働いていた時は、患者さんはシャワーや清拭だけでした。日本の病院では、麻痺がある患者さんも介助でバスタブに入浴します。「気持ち良い」と喜んでいる患者さんを見るととても嬉しいです。
質問3. 普段の生活はどうですか?今後の抱負は?
「プライベートも充実しています」「日本とインドの架け橋になる仕事がしたいです」
全員)仕事は決まった時間で終わっています(笑)。プライベートも充実しています。休みの時には電車で好きな場所に行き、三人でエンジョイすることもあります。
全員)インドの実家へ仕送りやお給料から少しずつ貯金しています。
チュイさん)バスや電車、タクシーなどの移動する時の運賃が、インドと比べとても高いためびっくりしています。また雪道には慣れていなく、何度も転びそうになりました。
全員)コロナが落ち着いてきたので、今年は浴衣を着て花火大会に行きたいです。また三人でまとまった休みを取って、遠くに行きたいと思っています。
シャンピさん)もっと難しいレベルの日本語の検定試験を受験したいです。
全員)そうですね、色々なことが気になります。私たちも何かの形で母国インドで日本に係わる仕事を行い、日本とインドの架け橋になる仕事もしたいですね。
異なる文化や言語を持つインドからの実習生を迎え、公私共に充実している現在の姿を目の当たりにして安堵しながら、これからの活躍を期待しているところです。
私たちは実習受け入れる2年前より、インドの生活習慣や文化を学び準備を進めました。実習開始後も分かり易い日本語の使い方、外国人を理解した接し方、食を通じた職員との文化交流など行っています。これらの工夫は、法人全体の成長の糧になるものと信じています。
患者さんに接する謙虚な実習生の姿は、法人理念である「信頼と尊敬の医療」の本質であることを教わることも少なくありません。私たちは医療や介護の担い手不足に対応し、高齢社会の先進国として高齢者や脳卒中などの患者さんの介護技術を世界に広げていきたいと考えています。
私たちは「誰ひとり取り残さない」社会の実現を目指し続けます。