脳腫瘍
脳腫瘍にはさまざまな種類があり、大別すると“良性脳腫瘍”と“悪性脳腫瘍”に分けられます。脳の表面を包んでいる膜や、脳神経、脳の血管など、脳組織以外のところから発生する腫瘍は、ほとんどが良性脳腫瘍です。一方、脳そのものから発生する腫瘍は、ほとんどが悪性脳腫瘍です。
良性脳腫瘍、悪性脳腫瘍
症状
良性腫瘍のなかには、あまり大きくならなかったり、自然に少し縮小したりするものがあります。偶然見つかった腫瘍に対しては、症状が出ている場合を除き、初診で手術をすることは少ないです。少し経過をみて、腫瘍が大きくなる兆候があるかどうかを確認してから、治療をするのか、経過観察を続けるのか、方針を決めることになります。
悪性脳腫瘍の場合、命に関わることがあるため、診断がついたらできるだけ早く入院し、手術を受けることが重要です。
原因
脳腫瘍がなぜ発生するのか研究が進められているものの、はっきりとした原因は分かっていません(2019年12月時点)。また、ほかの病気や生活習慣との因果関係も分かっていないため、脳腫瘍の発生そのものを予防することは難しいと考えられます。
治療
脳腫瘍は、小さければ小さいほど、綺麗に摘出することが期待されます。大きくなってから摘出すると、手術の難易度も、後遺症の出る確率も高くなります。
それほど大きくない良性脳腫瘍が偶然見つかった場合、半年、1年と経過観察をします。そのなかで、年間数㎜ずつ大きくなっている場合には、やがて大きくなることが予想でき、小さい内に摘出した方がよいと考えるため手術をおすすめしています。
まったく大きさが変わらなかったり、少し小さくなる兆候があったりする場合、そのまま経過観察を続け、患者さんとよく話し合い、適切な情報提供に努めながら診療を行います。
画像診断の結果から悪性脳腫瘍であることが明らかであり、確定診断がついた場合は、すぐに手術することをおすすめします。
悪性脳腫瘍は基本的に脳に浸潤している腫瘍で、脳の中でたこ足状に浸潤する悪性腫瘍は、小さければ小さいほど摘出しやすくなります。ただし、腫瘍が小さくても、神経線維に沿って遠くまで腫瘍細胞が伸びている場合があるので、手術だけでなく抗がん剤治療と放射線治療を組み合わせて行います。
こんな症状には注意!
脳腫瘍の早期発見のため、検査したほうがよいと考えられるのは次のような場合です。
「起床時の頭痛が長期間続く」
一般的には、起床時の頭痛が長期間続くことがあれば、脳の検査をした方がよいといえます。
「片方の耳の聞こえが急に悪くなってきた」
”聴神経腫瘍”という脳腫瘍ができている場合、片耳の聞こえが急に悪くなることがあります。
単純な老化によるものだと思わずに、検査したほうがよいと考えられます。
「視野の両サイドが見えづらい」
脳腫瘍の中でも多く見られる”下垂体腺腫”では、腫瘍が大きくなると視野の両サイドが見えづらくなってくるという症状が出てきます。
「車が横から来ているのに見えなくて、危険なことが何回もあった」「よく肩をドアにぶつけて、けがをする」といった場合、下垂体腺腫が発生している可能性があります。